質量分析器を用いた迅速かつ正確な微生物同定方法をMethylobacterium属細菌に応用しました

[著者] Tani A, Ssahin N, Matsuyama Y, Enomoto T, Nishimura N, Yokota A, Kimbara K

[論文タイトル] High-Throughput Identification and Screening of Novel Methylobacterium Species Using Whole-Cell MALDI-TOF/MS Analysis

[掲載論文] PLoS ONE 7(7): e40784. doi:10.1371/journal.pone.0040784

[共同研究] トルコ・ムグラ大学、ブルカー・ダルトニクス株式会社、岡山理科大学、インドネシア大学

[使用した共通機器] DNAシークエンサー、MALDI-TOF/MS

[内容紹介]
細菌を属・種・株というレベルで分類するために、これまで多くの手法が開発されてきました。属レベルでは、たとえばコロニーの形態などである程度の判別が可能ですが、種となるとそれだけではほぼ見分けがつかず、まして株レベルとなるとDNAの塩基配列レベルまで比べないと分からないのが現状です。この現状を打開する新しい手法として、最近では質量分析器を用い、細菌を構成する多様なタンパク質の分子量を一気に測定し、その分子量パターンを比較することによって、種レベルはおろか、株レベルまでを瞬時に同定してしまうという技術が発達しています。本研究では植物の表面に多く存在し、植物が放出するメタノールを栄養源として生育している、Methylobacterium属細菌について、この方法を応用しました。その結果多くの未知菌が発見され、これらのうちいくつかは、すでに新規な菌として発表しています。この報告では新規菌の発見のみならず、この方法の最適化と、検出される分子量ピークの由来、この方法で分類できない本属細菌の種について、また分離源となった植物種と菌の種の相関についても論じています。この方法により、見ただけでは区別できない菌を容易に区別し、多くの分離菌から同一の菌を排し、遺伝的に異なるものだけを集めてくることが可能です。
(文責 植物・微生物相互作用グループ・谷 明生)

関連リンク: 植物・微生物相互作用グループ

http://www.rib.okayama-u.ac.jp/researchactivity/20120710a.html