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イネとオオムギに対して生育促進効果の高いMethylobacterium属細菌の効果と、これら植物に共生する本属細菌の種レベルの同定

[著者] Tani A, Sahin N, Fujitani Y, Kato A, Sato K

[論文タイトル] Methylobacterium species promoting rice and barley growth and interaction specificity revealed with whole-cell matrix-assisted laser desorption / ionization-time-of-flight mass spectrometry (MALDI-TOF/MS) analysis.

[掲載論文] PLoS ONE 10(6): e0129509

[PubMed] http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0129509

[使用した共通機器] MALDI-TOF MS

[内容紹介]
Methylobacterium属細菌は植物葉面上で優占化する細菌の1種です。その名の通りメタノールを単一炭素源・エネルギー源として利用可能です。植物はペクチンの分解に由来するメタノールを大量に放出しており、それを利用して生育していると考えられています。また本属細菌の接種により植物の生長が促進されることから農業分野への応用も期待されています。本論文では、著者らが様々な植物から分離した本属細菌の中で、イネ、オオムギに対して生育促進能力の高い菌をスクリーニングし、圃場及びポットで行った生育試験について報告しています。結果として収量は変わりませんが、籾の数が減ることにより、籾粒が大きくなりました。そのメカニズムは不明ですが、大きな粒径を持つ籾を作ることに利用可能かもしれません。またイネ、オオムギから分離される本属細菌の種レベルの同定をMALDI-TOF MSを用いて行っており、これらの植物に特異的に親和性の高い種を見いだしています。

(文 責:谷 明生)

お問い合わせ先:植物・微生物相互作用グループ

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