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ケイ素はイネのカドミウム吸収や転流に関与する遺伝子の発現を抑制し、カドミウム蓄積を低減する

[著者] Shao, J. F., Che, J., Yamaji, N., Shen, R. F. and Ma, J. F.

[タイトル] Silicon reduces cadmium accumulation by suppressing expression of transporter genes involved in cadmium uptake and translocation in rice.

[掲載誌] J. Exp. Bot. 68:5641-5651 (2017).

[内容紹介] カドミウムは毒性の強い重金属で、食品から摂取すると、イタイイタイ病のように我々の健康被害を起こしてしまいます。我々が摂取するカドミウムの大部分はコメ由来で、したがってコメのカドミウム集積を減らすことは非常に重要な課題です。これまでにケイ素がイネのカドミウム集積を軽減できることが報告されていますが、その分子機構は分かっていませんでした。本研究では、ケイ素吸収欠損変異体を用いて、様々な解析を行った結果、ケイ素はカドミウムの吸収に関与する輸送体遺伝子OsNramp5と根から地上部への輸送に関与する輸送体遺伝子OsHMA2の発現を抑制することによって、地上部のカドミウム集積を減少させていることを明らかにしました。さらに地上部のケイ素集積がOsNramp5OsHMA2の発現抑制に重要であることも見出しました。

(文責 植物ストレス学グループ・馬 建鋒)

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