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イネのカドミウム集積を低下させる効果的方法

[著者] Shao, J. F., Yamaji, N., Liu, X. W., Yokosho, K., Shen, R. F. and Ma, J. F.

[タイトル] Effective reduction of cadmium accumulation in rice grain by expressing OsHMA3 under the control of the OsHMA2 promoter

[掲載誌] Journal of Experimental Botany, 69: 2743-2752 (2018).

[内容紹介] カドミウムはイタイイタイ病などを引き起こす毒性の高い重金属です。我々の摂取するカドミウムの大半はコメから由来するため、イネのカドミウム集積を低下させることは健康上非常に重要な課題です。本研究では、OsHMA2のプロモーター制御下にOsHMA3をイネに発現させると、コメ中のカドミウム濃度を著しく低下させることができることを実証しました。OsHMA2OsHMA3は共に当研究室が数年前に同定したカドミウム集積関連遺伝子です。OsHMA3は主に根で発現し、カドミウムの液胞への隔離に関与していますが、発現量が低いです。一方、OsHMA2は根や節など、他の組織にも高発現し、根から地上部へのカドミウムの輸送や節での分配に関与しています。このような発現パターンの違いを利用して、コメのカドミウム濃度を低下させる効果的な方法を実証しました。

(文責 植物ストレス学グループ・馬 建鋒)

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