オオムギの重要害虫であるアブラムシに感染するウイルスを明らかにしました

[著者] Kondo, H., Fujita, M., Hisano, H., Hyodo, K., Andika, I.B., and Suzuki, N.

[論文タイトル] Virome analysis of aphid populations that infest the barley field: the discovery of two novel groups of nege/kita-like viruses and other novel RNA viruses.

[掲載論文] Frontiers in Microbiology 11:509 (2020). doi: 10.3389/fmicb.2020.00509.

[使用した共通機器] DNAシークエンサー

[共同研究] 本研究の一部は大原奨農会・共同研究助成のご支援をいただき、植物研・作物イノベーション研究チーム-オオムギ遺伝子改変班-(代表:久野 裕)の共同研究として推進されました。

[内容紹介]
アブラムシ(半翅目)は作物の重要な害虫で、さらに多様な植物の病原ウイルスを媒介することで知られています。しかし、作物に寄生するアブラムシに感染するウイルスに関する情報は限定的で、その多様性もほとんど理解されていませんでした。そこで、植物研・研究圃場をモデルとし、2016〜2018年にかけてオオムギに寄生するアブラムシ(合計15コロニー)を採集し、次世代シークエンサー用いたRNAseqを行いました。得られた配列データを用いたウイルス探索の結果、60以上のウイルス様配列を取得しました。BLASTおよび系統解析により,その中から nege/kita 様ウイルスをはじめ10種の新規RNAウイルスを発見いたしました。さらに、RT-PCR解析および未発表の予備実験の成果から、オオムギがこれらアブラムシ特異的ウイルスのリザーバーになり得ること、さらにアブラムシ個体間や属間でそれらウイルスの水平伝伝搬を媒介する可能性があることが示唆されました。今回得られた成果は、アブラムシの制御技術の開発や新たなウイルスベクターの構築といった展開も将来期待されます。(文責:植物微生物相互作用グループ・近藤秀樹)

お問い合わせ先:植物・微生物相互作用グループ