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光合成能力を高めるマグネシウム輸送体の発見

[著者] Li, J., Yokosho, K., Liu, S., Cao, H.R., Yamaji, N., Zhu, X.G., Liao, H., Ma, J.F. and Chen, Z.C.

[タイトル] Diel magnesium fluctuations in chloroplasts contribute to photosynthesis in rice

[掲載誌] Nature Plants, 15:1-12 (2020).

[内容紹介] マグネシウムは植物の必須元素で、さまざまな生理機能を持っている。特に全マグネシウムの15-35%が葉緑体に局在し、光合成色素であるクロロフィルの中枢に含まれる。また光合成のカギ酵素であるルビスコをはじめ、多くの酵素の活性発揮に必要な補助因子としての機能を持っている。本研究ではイネの葉緑体へのマグネシウム輸送を担う輸送体OsMGT3を同定した。OsMGT3が葉肉細胞の葉緑体包膜に局在し、マグネシウムを細胞質から葉緑体へ輸送することを突き止めた。さらに、OsMGT3の発現は日周性を示し、ルビスコの活性変動と一致していることを見出した。この遺伝子を過剰発現すると、イネの光合成活性が向上した。(文責:植物ストレス学グループ・馬 建鋒)

関連リンク 植物ストレス学グループ

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