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植物共生細菌に抗酸化アミノ酸エルゴチオネインの生産を見いだしました
[著者] Md Alamgir K. Masuda S, Fujitani Y, Fukuda F, Tani A
[論文タイトル] Production of ergothioneine by Methylobacterium species
[掲載論文] Front. Microbiol. 6, 1185 (2015)
[リンク] http://journal.frontiersin.org/article/10.3389/fmicb.2015.01185/full#
[共同研究] 岡山大学農学部
[内容紹介]
Methylobacterium属細菌は植物葉面の主要な共生細菌の一種で、植物の生育を促進する能力があります。私たちは本属細菌の細胞内代謝物メタボローム解析により抗酸化活性の高いアミノ酸の一種、エルゴチオネインが著量蓄積していることを見いだしました。エルゴチオネインはほ乳類や植物は合成出来ませんが限られた細菌やカビ、キノコに生産性が見いだされていました。高等生物における役割には分かっていない点が多いのですが、そもそも大量に供給できる生産方法が確立されていないため高価です。本属細菌におけるエルゴチオネインの高生産性は初めて見つかりました。本論文では本属細菌によりエルゴチオネインの生産性の最適化と、エルゴチオネイン合成遺伝子破壊株の解析から、メタノールを原料としたエルゴチオネインの工業生産に向けた基礎的知見と本属細菌における役割を明らかにしています。
(文 責:谷 明生)
お問い合わせ先:植物・微生物相互作用グループ