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マイコウイルスの面白みを堪能頂ける総説です
[著者] 千葉壮太郎 近藤秀樹 兼松聡子 鈴木信弘
[タイトル] マイコウイルスとヴァイロコントロール
[掲載誌] ウイルス(2010)60 163-176
[共同研究] 果樹研究所・兼松博士との共同研究
[内容紹介] マイコウイルス(菌類ウイルス)は菌類の主要な分類群から広く報告されている.特に近年のウイルス探索の結果,新しいマイコウイルスが次々と報告され,新 規のウイルスゲノム構造,遺伝子発現様式,粒子構造の発見を齎しました.また,同時にウイルスの多様性,進化の理解へと繋がりました.マイコウイルスの多 くは2本鎖RNAをゲノムにもつ球形ウイルスですが,粒子化されない1本鎖RNAウイルスも多く見つかっています.自然界では,マイコウイルスは宿主菌の 細胞分裂,細胞融合,胞子形成により水平・垂直伝搬するが,細胞外からの伝搬・侵入経路は知られていません.マイコウイルスの多くは無病徴感染をするが, 一部のウイルスは宿主菌に病徴を惹起し,巨視的表現型の変化を齎す.マイコウイルスが植物病原菌の病原力を低下させる場合は,ウイルスを利用した生物防除 (ヴァイロコントロールと提唱[近藤1]<#_msocom_1> )が試みられています.ヨーロッパではクリ胴枯病菌のヴァイロコントロールの成功例があり,一方,日本でも果樹の白紋羽病菌を標的としたヴァイロコント ロールが試みられています.本稿では,マイコウイルスの一般的性状を概説し,ヴァイロコントロール,さらにはそれに関係するウイルスについて紹介しました (文責:植物・微生物相互作用グループ 鈴木).
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