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イネアンチモンの吸収に関与する輸送体の同定

[著者] Huang, H., Yamaji, N. & Ma, J. F.

[タイトル] Tissue-specific deposition, speciation and transport of antimony in rice

[掲載誌] Plant Physiology, https://doi.org/10.1093/plphys/kiae289 (2024)

[内容紹介] アンチモン(Sb)は植物の生育に必要な元素ではありませんが、可食部分に高蓄積すると、健康被害を引き起こします。本研究では、イネのアンチモンの蓄積に関する機構を生理学的及び分子生物学的に解析しました。その結果、三価のアンチモンが主なアンチモンの吸収形態であることを明らかにしました。また吸収されたアンチモンがほとんど根の外皮細胞に蓄積し、根の細胞質内のアンチモンが3価の形態で存在していることを突きとめました。各種イネ変異体を用いて、アンチモンの蓄積を比較したところ、内向きケイ素輸送体として知られているLsi1が欠損すると、根及び地上部のアンチモンの蓄積が大幅に低下し、外向きケイ素輸送体Lsi2Lsi3が欠損しても植物のアンチモン蓄積が変化しませんでした。またLsi1は酵母において三価のアンチモンに対して輸送活性を示しました。これらの結果はLsi1が三価のアンチモンの吸収に関与する輸送体であることを示しています。 (植物ストレス学グループ・馬 建鋒)。

関連リンク 植物ストレス学グループ

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