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植物金属輸送システムの総説
[著者] Huang, S., Yamaji, N. & Ma, J. F.
[タイトル] Metal transport systems in plants
[掲載誌] Annual Review of Plant Biology, 75:13.1–13.25 (2024)
[内容紹介] 植物は、必須微量栄養素[鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)]や有毒重金属カドミウム(Cd)などの金属を土壌から吸収し、可食部に蓄積するため、人間の直接的および間接的な摂取源となります。土壌からさまざまな器官や組織にこれらの金属を輸送するには、さまざまなファミリーに属する複数のトランスポーターが必要ですが、そのうち完全に機能解明されているのはごくわずかです。輸送システム(吸収、転流、分布、再分布、およびそれらの調節に必要なトランスポーター)は、金属や植物種によって異なり、生理学的役割、各金属の要求量、さまざまな器官や組織の構造によっても異なります。また土壌中の金属の時空間的変動に応じて金属の恒常性を維持するために、植物は転写レベルおよび/または転写後レベルでのトランスポーターの制御を通じて、高度で厳密に制御されたメカニズムを発達させました。これまでに一部のトランスポーターを改変することで、必須金属が豊富でCdの蓄積が少ない作物を生み出すことに成功しました。今後は金属輸送システムをより深く理解することで、より優れた安全な作物の生産に貢献します。(植物ストレス学グループ・馬 建鋒)。
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