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アルミニウム耐性二条オオムギの育成
[著者] Huang, S., Sato, K., Ma, J. F.
[タイトル] Breeding for an elite malting barley cultivar with acid soil tolerance
[掲載誌] Communications Biology, 7: 1203 (2024)
[内容紹介] オオムギは酸性土壌での主な作物生育阻害因子であるアルミニウム毒性に弱いが、品種間差が存在する。我々のこれまでの研究では、アルミニウム耐性の品種間は根からのクエン酸分泌を司る輸送体HvAATC1の発現の違いにより、またこの発現の差は上流の1kbの挿入に起因することが分かっている。本研究では、くり返し交配により、この1kbの挿入をアルミニウム耐性の弱い日本の主要醸造品種はるな二条に導入した。育成されたBC4F10を用いて解析した結果、元の品種と比べHvAACT1の発現量やクエン酸分泌量が大幅に増加し、逆に根端のアルミニウム結合量が減少した。また複数年の圃場試験を行った結果、育成された品種は元の品種より収量が2倍以上増加した。(植物ストレス学グループ・馬 建鋒)。
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