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イネのメタロイドの吸収におけるケイ素輸送体OsLsi1の極性局在の役割
[著者] Konishi, N., Mitani-Ueno, N., and Ma, J. F.
[タイトル] Role of polar localization of the silicon transporter OsLsi1 in metalloid uptake by rice roots
[掲載誌] Plant Physiology 198: kiaf196 (2025)
[内容紹介] OsLsi1はケイ酸の輸送体として同定されたが、他のメタロイドも透過することが知られている。OsLsi1は、根の外皮および内皮の遠心側に極性局在するが、本研究では、極性局在型または非極性局在変異型のOsLsi1形質転換植物を用いて、極性局在がメタロイドの吸収に及ぼす影響を調べた。その結果、OsLsi1の極性局在の喪失は、地上部のGe、B、Asの蓄積を減少させたが、Sbの蓄積を逆に増加させた。一方、Seの蓄積は通常条件下では影響を受けなかった。また異なるB濃度で調べた結果、低B濃度(0.3~3 mM)ではBの吸収が著しく低下したが、高B濃度(300 mM)ではBの吸収が上昇した。これらの結果を総合すると、OsLsi1の極性局在は、OsLsi1と協力する排出輸送体の有無や濃度に依存して、メタロイドの吸収制御において重要な役割を果たしていることが明らかになった。(植物ストレス学グループ・馬 建鋒)。
関連リンク 植物ストレス学グループ