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イネの鉄の分配に関与する外向き輸送体の同定
[著者] *Che, J., *Huang, S., Qu, Y., Yoshioka, Y., Tomita, C., Miyaji, T., … and Ma, J. F. (*co-first author)
[タイトル] A node-localized efflux transporter for loading iron to developing tissues in rice
[掲載誌] Nature Communications 16: 9916 (2025)
[内容紹介] 鉄は植物の必須元素であるが、体内に移動しにくいため、根から吸収された鉄は優先的に新しい組織に分配する必要がある。しかし、その分配の仕組みはまだ十分明らかになっていない。本研究では、イネの節で高発現するIET1(Iron Efflux Transporter 1)が優先的な鉄分配に関与していることを明らかにした。IET1は同じグループの液胞膜に局在するタンパク質とは異なり、細胞膜に局在していた。また、膜の内外の水素イオン(H+/プロトン)濃度勾配に依存して二価鉄イオン(Fe2+)を排出する輸送活性を持つ。 IET1遺伝子は主にイネの節の分散維管束に局在し、その発現は鉄によって誘導される。IET1遺伝子を破壊すると、上位葉(新葉)や穂の鉄濃度が減少したが、下位葉(古葉)と節の鉄濃度が増加し、節において多くの鉄の蓄積が観察された。また変異イネでは草丈や分げつ数、千粒重が減少し、一株あたりの種子の収量が大幅に減少した。このことは、IET1による鉄の分配制御がイネの正常な生育に欠かせないことを示している。(植物ストレス学グループ・馬 建鋒)。
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