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被子植物の花粉でおこる普遍的なDNAの分解現象を明らかにしました
著者] Matsushima R., Tang L.Y., Zhang L., Yamada H., Twell D., and Sakamoto W.
[タイトル] TA Conserved, Mg2+-Dependent Exonuclease Degrades Organelle DNA during Arabidopsis Pollen Development
[掲載誌] Plant Cell(2011) 23: 1608-1624
[共同利用機器] 透過型電子顕微鏡、ウルトラミクロトーム、DNAシーケンサー
[内容紹介] 植物の細胞内にある小器官(オルガネ ラ)の中で、葉緑体とミトコンドリアはバクテリアの細胞内共生に由来します。その痕跡として、両者のオルガネラは、バクテリア由来のDNAを未だに持って います。これらのオルガネラDNAは生命の維持に必要な遺伝子を持っていますが、オルガネラの研究だけでなく、生物の系統進化を解析したり、農業でもハイ ブリッド育種などに使われたりしています。
普通、単にDNAというと、核にあって、両親から受け継がれた染色体を指し、オルガネラDNAは忘れられがちです。研究でも、オルガネラDNAの必要性 はわかっていますが、どのように維持されているかなどはよくわかっていませんでした。私たちは、シロイヌナズナというモデル植物を使い、植物の花粉でオル ガネラDNAが普遍的に分解されるメカニズムを明らかにしました。花粉ではDPD1という被子植物だけにあるDNA分解酵素がはたらき、DNAを分解して いるようです。オルガネラDNAには謎ばかりですが、なぜ、DNAが花粉で分解されなければならないのかを解明し、これらの現象を植物で利用する研究も進 めていきたいと考えています。
(文責 光環境適応研究グループ・坂本 亘)
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光環境適応研究グループ
植物の生長を支える葉緑体と光合成・植物オルガネラ研究のパイオニアを目指して 光環境適応研究グループ 教授 坂本先生